「お気に入りの本」という新しイカテゴリーを追加しました。
通勤の電車乗車時間がで片道90分、往復で3時間ありこの時間を読書に充てています。
週に2~3冊読んでしまうので、出費を考え大半は市立図書館で借りています。
この中で特に気に入った本を紹介していきたいと思います。
まず最初の紹介本として
「切り捨てSONY リストラ部屋は何を奪ったか」
を紹介します。

この本にはSONYの構造改革という名のもとのリストラの実像が赤裸々に書かれています。
SONY社内には1985年には「能力開発センター」という名のもとで、
当時窓際族と言われた中高年社員に雑用を与えながら転職支援を行っている。
その後、1996年12月に「セカンドキャリア開発支援」制度が設けられ、
1999年に第1次の構造改革がが、2003年には2万人規模の第2次構造改革が行われている。
この第2次構造改革が「ソニーショック」としてソニーの株価が暴落した時期である。
その後2015年までに6回ものリストラが行われ、まだ先が見えたとは言えないのが実情のようだ。
リストラ対象となっても早期退職に応じないものが、いわゆるリストラ部屋送りとなる。
リストラ部屋は、東京・厚木・仙台の3か所にあり、多い年には800人を超えている。
一方で経営者は明確な経営方針を出せないまま、数億円(ストリンガー氏が8億)もの報酬を得ているということである。
また、ストリンガー氏においては日本にはあまり滞在しないにも関わらず、1泊50万以上する高級ホテルのスイートルームを常時貸切契約としていたということである。
創業者の井深氏や盛田氏の人材を大切にし、技術者魂から成長してきた考えから一転して、5代目社長の出井氏やストリンガー氏の経営方針の違いがよくわかる本である。
(といっても、この本には創業者の考えが詳しく書いているのではないので、これについては別に書籍等で知る必要がある)
この本の中での登場人物はすべて実名で書かれており、決して能力がないからリストラ対象となっているわけではないことがわかる。
ipadが世に出た頃、ソニー社内でも現場の技術者は同様のアイデアを出していたが、経営側の決断力のなさにAppleに完全に敗退している。
この本には欠かれていないが、GoogleがAndoroidを発表した時に、既にソニーの技術者はこれを活用しようとしていたが、経営側の判断で出遅れたのは有名な話である。
シャープの衰退がよく報道されているが、ソニーも同様の運命となるのか、あるいはそれより悪い事態になるのではと危機感を感じてしまう。
ぜひテレビドラマ化して欲しいと感じる1冊でした。